色白ゆうじろうの無味無臭ブログ

怪奇・ホラー漫画を中心に、小説、エッセイなど読み物を投稿してます。

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母、非常駐車帯で叫ぶ 前編

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ずいぶん昔の話です

筆者が小学5年生の頃のことです。


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父が山口市に家を建てたのですが、当時住んでいた宇部から家の風通しをするため、週末になると一家で山口に行っていました。

父の仕事は不規則で、休日に夜遅くまで仕事ということもざらでした。

ある時、どうしても父の勤務との折り合いがつかずペーパードライバーの母の運転で、家の風通しに行くことになりました。

母は絶望的に運転が苦手です。

筆者も同乗していて、頭を打ってたんこぶを作ったこともよくありました。
家とスーパーの往復くらいしか運転してませんでしたしね。

よくこれで運転免許が貰えたなと、子ども心に思ったくらいでした。

母は、山口まで遠出する!と俄然張り切っていました。

12歳の筆者と、9歳の弟は「お母さんの運転」と言うだけで、得体の知れない恐怖と不安にとらわれていたのでした。

父は「小郡バイパスに乗ってまっすぐ」と母に伝え、それなら大丈夫と母は自信に満ちていました。

小郡バイパスとは、山口に行く時よく通っていた自動車専用道路です。

小郡道路(おごおりどうろ)は、山口県山口市陶から同市今坂に至る国道2号バイパス。小郡バイパスとも呼ばれる。

渋滞の著しい旧小郡町市街地を迂回するバイパス道路として、1975年(昭和50年)2月27日に山口市陶(陶IC) - 山口市今坂間が暫定2車線で開通した。1990年(平成2年)3月31日までに全線が4車線(片側2車線)に拡幅され、陶IC - 嘉川IC間が自動車専用道路に指定された。

Wikipediaより


ルートを説明します。


これが、小郡バイパスの各インターチェンジです。今坂をはじめとし、下から上に、宇部方面ー山口方面となります


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Wikipediaより

今回は宇部から小郡に至る、山口宇部道路をとおり嘉川ICに来ます。そこから、小郡バイパスに乗り、小郡ICで降ります。

そうすれば山口市街に着くのです。

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Googleより

その当時の母もここまで覚えれば良かったんですが。

地名すら覚えてなかったんです。母は。

母は「小郡バイパスをまっすぐ」しか覚えることができなかったんですね💧
父の説明を聞いて。

地名さえ覚えれば、今回の事は起きなかったんですが・・・


そして、出発。

当初は順調でしたが、自動車専用道路である小郡道路(小郡バイパス)に乗ると、雲行きが怪しくなりました。


母はハンドルにしがみついて、不安そうに運転しています。

その様子が筆者たちにも伝わり、不安と緊張に体をこわばらせていました。

筆者の緊張はピークでした。
母の運転で遠い街に迷い込んだらどうしよう。と

ただ自分に言い聞かせました。「まっすぐ行って小郡で降りたらいいんだ」と。

すると、案内標識が見えました


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大原・・・ってどこ??

母と同様、地名が全くわからなかった筆者は、聞いたことない地名に恐れました。

これは迷った!と。

大原ICは小郡ICのひとつ手前です(笑)

ですがそれを知らなかった、子どもの筆者は子ども心に怯えてしまったんですね^^*

そして、不安からポツリと呟きます

「これ広島に行っちゃうんじゃない?」




当時42歳母心の平静を打ち砕くには十分なひと言でした。




母が非常駐車帯に車を避難させたのは、それから間もなくのことでした・・・

後編につづく